八ヶ岳 硫黄岳より Y.takizawa撮影

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創立55周年記念会報

あゆむ山の会 登山活動のリスク管理 

遭難対策委員長 

   あゆむ山の会では登山のリスク管理を次のように行っています。

 「安全・安心で楽しい登山+登山技術の習得」

「救助活動に時間をかけず、事故防止に時間をかけよう!」

「助けられる立場ではなく、お互いに助け合える立場になろう!」

「連れて行ってもらう登山ではなく、一緒に行く登山の認識をもとう!」
      (自分たちで行きたい所を自分たちで計画していけるようにするために)

※事故防止のために上記「テーマ」を掲げ、下記事項を実施して活動しています。

あゆむ山の会は今年で創立61年を迎えます。その中で、大きな遭難事故が2件。一つは1968(S43)年の2月白毛門山での雪崩事故。もう1件は1981(S56)年12月の甲斐駒ケ岳黄蓮谷の雪崩事故です。当時は山岳保険と言うものがなかったのか入ってはいませんでした。救助活動も今と違って仲間のボランティア活動で行ってきました。ヘリコプターなども警察、消防にはなく頼みは自衛隊のヘリコプターでした。

大きな事故はこの2件ですが、その後も中・小の事故は発生していました。

企業では「一つの重大事故の背景には29の軽微な事故があり、その背景には300の異常が存在する」と唱えたハインリッヒの法則。昔の工場の入り口には大きく1:29:300と書かれて掲示されていました。今思うとこのハインリッヒの法則は労働災害の考え方が書かれていたのです。

このようなことを踏まえて、あゆむ山の会では、会活動の目標に「安全・安心で楽しい登山+登山技術の習得」を掲げています。

会では事故防止のために
「遭難救助活動に時間をかけるより、事故防止に時間をかけよう!」

をテーマに掲げて活動しています。

では具体的にはどのようにしているか次に掲げていきます。


〔事故防止の啓蒙活動〕

「山のKYT」山の危険予知トレーニング

  (危険()、予知()、トレーニング()。山の危険予知トレーニングを例会で行う。

登山の事故は会活動で、会員各自で危機意識(注意力)が薄れてくると事故につながります。そのため山の危険予知と山での危機意識向上のために、事故には至らないまでも危ない思いをした、危ない場面を見た、危ない話を聞いた、事故防止に関する記事を新聞で、テレビでみた、登山誌で読んだ。たとえば御嶽山噴火事故・那須岳雪崩事故・阿弥陀岳南稜事故などこれは他の会員にも気を付けた方が事故防止になる。と言うことを毎月第一例会で30分、例会時皆で話し合います。

「山のKYT」は時間の都合上、議題、資料等は事前にメールで配信し各自読んで理解してもらい、例会で全員一言発言をしてもらいます。

 「山のKYT」は、事故の原因究明ではなく事故に関心を持つために思ったことを発言してもらいます。

話の内容を整理して、会ではこのように対応することを記入して再度会員にメールで送ります。


〔事故防止の具体的活動内容〕

 各種講習会
 「安全・安心で楽しい登山+登山技術の習得」
 各種講習会に参加することで登山技術を習得し事故防止につなげていきます。講習会は自分のジャンルに合わせて参加し、自分の行きたい所を選択します。
 なお、講習会に参加することなく雪山、ロープを使う山行、沢登りなど系列の会山行は参加できません。

会主催各種講習会・研修会&体験会 (指導は日本スポーツ協会 上級指導員・指導員・コーチと日本山岳ガイド協会認定 上級登攀ガイド)

(1)新雪・残雪期の雪上講習会 (2)春・秋の岩登り講習会 (3)沢登り講習会 (4)渡渉講習会  (5)アイゼン登攀講習会 (6)氷瀑講習会
  
  (7)非常装備体験会山行
  (
会山行、特に個人山行においては非常装備を持っての山行を奨励しています。非常用装備は使わないことがほとんどです。そのため非常装備を使う山行を月例登山のテーマに掲げて行います。
  ナイトハイキングでヘットランプを使う山行、ツエルト宿泊体験、補助ロープをつかう山行、非常食を食べる山行など)

 埼玉県山岳・スポーツクライミング協会主催各種講習会・研修会

 緊急避難講習会・研修会(雪洞講習会)

 登攀技術講習会・研修会

 積雪期登山講習会・研修会

 冬山遭難防止講習会・研修会(応急処置・搬出など)

「助けられる立場ではなく、お互いに助け合える立場になろう!」

何かあったら誰かが助けてくれるだろうと言うことなく、何かあったらお互いに助け合えるようになろう!と言うことで、県岳連主催の冬山遭難防止講習会(応急処置・搬出など)には特に参加を奨励しています。

〔事故発生時の具体的活動マニアル〕

事故防止活動を行っていても、事故は絶対起きないと言う保証はありません。起きたらどうするかと言うことも皆で考えて、事故防止につなげていきます。

具体的にはマニアルを作成してスムーズな救助活動が出来るようにしています。

1.非常時連絡カード(救助要請を口頭で行うと行き違いなどがあるため、記入用紙に必要事項を記入し要請する。自分たちのひかに半券を取って置く)  

2.山行時における遭難発生チャート図(山行時、事故発生した場合の全体の流れを表したもの) 

3.分が行動不能になった時の対応(山行中、自分が行動不能になった時のマニアル) 

4.仲間が行動不能になった時の対応(山行中、仲間が行動不能になった時のマニアル) 

5.あゆむ山の会遭難救助要請詳細

6.あゆむ山の会救助・捜索マニアル(救助隊の捜索方法)  

7.あゆむ山の会遭難対策本部マニアル(遭難救助要請受付から救助活動、収集までの手順書)  

8.あゆむ山の会現地遭難対策本部マニアル(現地対策本部の活動手順) 

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